◆HDD-SSD 本当にSSDの速度は速いのか?
SSDはリードライト共に驚異的なスコアを叩き出す優秀な記憶媒体。HDDとは比べ物にならない……
特に読み込みや、4KBのランダムアクセスの速度には定評があり、
ベンチマークスコアなどでもメモリを増やすより、HDDをSSDに換装する方がスコアが上がるといった場合も、
SSDにしておけば、OS、パソコンの起動などはほぼ
確実にスピードアップします。
また、BF3やWOWといったオンラインゲームからAdobeやWord、Excel、PowerPointなどのソフトまで起動にかかる時間の短縮が見込めます。
データの保存するとき、ファイルコピー……、これくらいしかないのではないでしょうか?
ウィルススキャンが速いといった面から評価する人もいるようです。
◆HDD-SSD 並列処理によるスピードアップ
現実問題、SSDが必要か否かはランダムアクセスなど記憶媒体へのアクセスがどの程度あるのか把握しないといけない。
SSDの速い理由として、
HDDでは読み書きにヘッドの移動 (シーク/seek)が必要ですが、SSDでは物理的な移動がない。
HDDはヘッドのある部分しか読み書きできないが、SSDはコントローラーやデータの記録形式(SLC、MLC、TLC)にも左右されるが、並列処理がでかい。
◆HDD-SSD 速度低下は、昔の話
SSDの速度が疑問視される点として、
時間と共に遅くなる……、書き込みが苦手、そんな指摘を受ける時代もありました。
現在はTrim機能があるため、長期間の使用や、未使用領域が無くなるといった状態でも、速度が維持できるようになっています。
書き込みもフラッシュメモリ自体、HDDより書き込み読み込み共に苦手な媒体だったのですが、並列処理により驚異的な速度に……
このような面から見て、SSDは速いと言えます。
カタログスペック上では素晴らしい性能ですが、実際に使った時の性能については、別で考えなければなりません。
SSDを使うことで、具体的にどのくらい速くなるかは用途によって違います。
◆HDD-SSD SSDっていらなくね?
韓国のK2戦車ではありませんが、見せかけ上のスペックで物事を判断するのは危険です。
カタログスペックが良くても、思ったより恩恵を受けられなかった。一時的な恩恵だったということもあり得ます。
1.記憶媒体からメモリにデータを読み込んだら終わりじゃね?
実際に読み書きがどのていど起きるのか?
HDDやSSDは補助記憶の役割を果たしています。高速なメモリ部分にデータを渡し終わったらほとんどの動作をメモリ上で行うため、
補助記憶装置であるHDDやSSDはニートに進化することになります。
BF3のようなオンラインゲームの場合、マップの読み込み時などSSDが役に立つため、ロード時間など起動以外でも恩恵があります。
また、
延々読み込みが続くような糞アプリを使う場合にも速度向上が見込めます。
ただし、ロードや読み込みがHDDでも十分に対処出来る場合は、速度の恩恵を実感することができません。
また、HDDで十分なソフトしか使わない場合には、パソコンの起動時にしかメリットを感じられないといったケースもあります。
つまるところ、利点を得られない使い方ではSSDは不要と言えます。
カタログスペックが良くても、スペックを生かせる状況がなければ意味がありません。
2.何らかの理由で記録媒体にアクセスしつづける
何らかの理由で、記憶媒体へのアクセスが常時つづくような状態になった場合、
SSDはHDDよりも高速なため、速度低下によるユーザビリティの低下が抑えられる。
HDDだろうがSSDだろうが記憶媒体にアクセスしつづけるのはダメ。
PCが一番遅くなるのは、延々と記憶媒体(hddやssd)にアクセスしているとき、
メモリに比べたらどっちも糞みたいな遅さ。
hddだろうがssdだろうが、遅い時は遅い、これはメリットになりません。
仮想メモリなどもHDDよりもSSDにした方が高速になりますが、
仮想メモリより、メモリ部分で処理するのが理想です(少量ですが仮想メモリを前提としているプログラムもあります)
Windows8.1のIPv6、ホームグループが原因で記録媒体への書き込みが100GB/日を超えるといった問題もあります。
書き換え寿命をほぼ克服したSSDでも、この量は洒落になりません。
3.実際に読み書きって頻繁に起きるのか?
SSDに変えて速くなるのは記憶媒体とメモリのデータ転送速度。
一度読み込むと、メモリとCPUで処理を行うことになるため、HDDやSSDはニート化し、読み込みが必要ない限り性能には寄与しない。
読み込みが必要なソフトならメリットはあるが、それがなければ全く性能が体感できない。
HDDがボトルネックになるような状態になって、初めてSSDのありがたみを噛みしめることが出来るようになります。
ネットサーフィン、メールソフト、ウェブサイトの読み込みなど、
ブラウザを使う場合にはあまり大きな読み込みが起きないためSSDのメリットは薄いです。
通信速度がボトルネック。HDD、SSDがどうこうというレベルではありません。
4.記憶媒体の読み書きってどの程度?
タスクマネージャーのリソースモニターから書き込み読み込み量を確認できます。
読み込み部分については、放っておけば読み取り部分は全部0バイトになりますが、書き込み部分はSystemなどが使うため1.2MB/分程度のアクセスがあります。
秒単位で20Kb……、ほとんどないも同然ですね……
常時使用される書き込み部分の例。
ntuser.dat , NTFS:System
kxescore.exe:kingsoft社のウイルスソフト。
svchost.exe:種々のタスクが含有されています。
5.パソコンの起動速度が速い?遅い?
パソコンにSSDを搭載しているのに起動が遅いといった状態の人もいるようです。
SSDはHDDよりも起動が速いですが、昔のSSD(Trim機能非搭載)といった物を使っている場合など、SSDでもこういうケースになることはあります。
また、スタートアップなどが原因でパソコンの起動が遅くなっているということも考えられます。
私のPCでは、CPUやメモリ、HDDとか変えずに、スタートアップの見直し、msconfigサービス停止、ソフトアンインストールで、
2006年の化石パソコンが、起動1分18秒 → 35秒と大幅に改善しました。
6.そのスピードアップ、本当にSSD?
換装してHDDをSSDに交換した結果でないと、SSDのおかげでパソコンが速くなったのか判断できない。
新しいパソコンが速いというのは当たり前、買い替えでCPU性能が向上、メモリの増加、DDRなど転送速度が向上、余計なソフトが入っていないなど……
同じ環境でHDDとSSDを比べないと、比較することはできません。
7.ベンチマークスコアが高い!
ベンチスコアはゲームなどで有力な指標になっているが、あくまでも特定の負荷時のスコア。
ベンチマークでいい数字が出たというのは、記憶媒体の読み込み速度を評価しているからであって、
現実では、その特定の負荷というのが発生するとは限らない。
8.SATAV(6Gbps)の上限。
SSDの性能が上がり過ぎて、接続規格の転送速度を超えてしまったものもあるようです。
この場合、接続規格がボトルネックになってきます。
SSDがいくら速く動こうとも……、データが他の装置に渡す速度が遅ければ、浮足立ってるようなものです。
IOPS(Input Output Per Second):1秒間に読み書きできる回数
SATA/mSATA(Serial ATA/Mini SATA):データ転送速度がSATAT〜Vまで、1.5Gbps、3Gbps、6Gbps、倍になっている。
速度の遅いHDDならSATAUなど、転送速度が遅くてもボトルネックになりにくい。
◆HDD-SSD 書き込みが苦手なSSD
OSやシステム部分、仮想メモリだけSSDにしたりするのは非効率。そんなことよりも十分なメモリを積もうぜ。
SSDは未使用部分の書き込みはそのまま行えますが、すでに使用している領域(NANDメモリー)に上書きをすることができません。
これは、削除などでデータがなくなっていてもデータがないとみなされるだけで、データを物理的に消す処理が行われないためです。
使用済領域に書き込みを行う場合、一旦データを消去した上で書き込みを行うことになるのですが……
この処理が、通称ブロックコピーと呼ばれるもので、
データを書き込むときに毎回こんなことをやっていては速度低下が馬鹿にならない。
これを解決するためにTrim機能で書き込み可能な領域を確保する必要性があります。
TOPに戻る:
HDD vs SSD