◆HDD-SSD 耐久性と書き換え可能数について
SSDは、NAND型フラッシュメモリで出来ており、
不揮発性メモリ(通電なし)でデータが保持可能となっています。
このSSDの耐久性を表す指標として
TBW(書き換え可能回数)があります。
◆HDD-SSD 耐久性を表すTBWについて
TBW(tera byte written)とは、耐久性能を表す基準で、
決められた場所、決められた方法で試験し、
データがどれだけ書き込めるか?というもの。
言いかえるなら
TBWは書き換え可能数と言ってもよい。
SSDの構造上、データ容量が増えれば増えるほど、書き換え可能数が増大する。
これは、SSDのセルを均等に使うウェアレベリングの技術によるもの。
※1つのセルの書き換え寿命は、
SLCで10万回、MLCで1万回、TLCで1千回程度が目安です。
同じ場所を集中して利用すると、
良く使われる部分と全く使われない部分に寿命差が出てしまいます。
セルを均等に使う事で、SSDの寿命が飛躍的に伸びます。
◆HDD-SSD SLC・MLC・TLCにおける耐久性の差
この違いは、bit/cellにあります(1セルあたり、何bitの情報を記録するか?)
SLC:は1セルに1ビット(0 or 1)
MLC:は1セルに2ビット(00 or 01 or 10 or 11)
TLC:は1セルに3ビット(000 or 001 or 010 or 100 or 011 or 101 or 110 or 111)
記憶できるビット数に差がある訳です。
この記憶できるビット数ですが・・・、
多ければ良いというものではありません。
1セルあたりの書き換え可能数。
SLCで10万回、MLCで1万回、TLCで1千回程度が目安・・・
ということからも判るように、bit/cellが大きいというのは、それだけ無理をしている。
と・・・、いうことです。
TLCの書き換え可能数が低いのは、
1セルに情報を詰め込みすぎているためです。
SLC:信頼性と速度重視(値段が高い)
TLC:低価格と容量重視(信頼性低い)
正直なところ、大容量のTLCを選ぶのはどうかと思います。
大容量を重視するならHDDでもいいのではないでしょうか?
◆HDD-SSD 書き換え可能数と寿命の関係
TBWが500TBで、1日に10GB書き込む場合・・・
500TB × 1,000 ÷ 1.024 ÷ 10GB ≒
48,828日(約133年ちょっと)
※HDDやSSDは、1KBを1,024Byteではなく1,000Byte単位で表記していることがあるため、
通常の1,024Byte単位に直して計算しています。
書き換え寿命が100年を超えるなどといったことが多いですが、
実際問題、SSDにそこまで寿命がある訳ではありません。
何故なら、TBWの書き換え寿命は
経年劣化の考慮がまるで考えられていないためです。
例えば、新品のSSDがあったとして・・・
100年間どこかに放置して、いざ100年後・・・、新品同様に使えるでしょうか?
SSDに使われている
酸化膜は、使用しなくても経年劣化でダメになります。
このため、SSDのTBW(書き換え可能数)は、あまり役に立つ指標ではありません。
◆HDD-SSD 酸化膜の破壊について
酸化膜はものすごく薄い膜のことで、SSD内のデータ(電子)がこの中に格納されています。
この酸化膜に電圧をかけると、酸化膜を超えてデータが移動します。
簡単な話ですが、
電圧をかけることにより、酸化膜はどんどん劣化していきます。
これがいわゆる、書き換え寿命と言われるもの。
データの移動を繰り返している内に、酸化膜が壊れて、ダメになってしまう訳です。
SSDはHDDのように磁気ヘッドがないし、回転していない。
物理的に動いていないから安全と言われますが・・・、
電子の世界では、きっちりと動いています。
使わなくても経年劣化する
SSDの最大の問題点・・・、
全く使わなくても自然減衰等で酸化膜が劣化することです。
HDDは、全く使わずに置いとくだけなら中のデータは安全です。
しかしながら、SSDは酸化膜の中に電子を格納してデータを保存しています。
この部分が使わなくても、経年劣化を引き起こし、
勝手に寿命が来ます。
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HDD vs SSD